シルクスクリーンプリントについて

シルクスクリーンプリント

Tシャツが好きで自分で作りたいと思い「Tシャツくんワイド」を15年ほど前に購入しました。当時、製版機と印刷台と消耗品もろもろ合わせて18万円ほどしました。昔は自分の洋服や小物に印刷するために使用していましたが、子供が生まれてからはロンパースをはじめ、子供のグッズを作る時に使用することが圧倒的に多くなり、元は取れたと言えるほど使っています。

シルクスクリーンプリントとは?

ご存知かとは思いますが、Tシャツやトートバックなどにプリントされている単色の文字などはほぼシルクスクリーンプリントです。インクが通る所(細かい孔が開いている)と通らない所が作られたシルクスクリーン版の上にインクを乗せ、全体に押し付けて、布に絵柄をプリントすることをシルクスクリーンプリントと言います(写真参照)。この何を言っているのか分からないことを自分でできるのが「Tシャツくん」です。「Tシャツくん」の概要・使用方法の詳細は下記URLをご確認ください。

ホリゾン・インターナショナル株式会社様Web shop「HANDo WEB SHOP」

https://www.webshop.hando-horizon.comho/

なぜ「Tシャツくんワイド」を選んだか

「Tシャツくん」にはサイズが数種類あります。中でも一番大きな版を作製できるのが「Tシャツくんワイド」です。「Tシャツくん」シリーズは“大は小を兼ねる”ので、一番大きな製版機を買っておけば、それより小さな版を作ることが可能です。例えば、Tシャツやポロシャツの胸や肩へプリントする際に使い勝手の良いスモールフレームの版作製も「Tシャツくんワイド」の製版機があれば作ることができます。家に置くには結構大きいですが、余裕のある方は“大”を選択した方が良いかと思います。

バックプリントはワイドフレーム、肩はスモールフレームで作った版を使用

そういった理由で、一番大きな製版機を選びましたが、気になるのは実際どこまでの大きさのデザインをプリントすることができるのかという部分です。フレームの数字上ではB4サイズくらいの大きさの絵柄のデザインで版を製作することができそうですが、私の経験上A4フチなし目一杯サイズが適正かと思います。なぜなら絵柄の上下にアキがあった方が、スキージを使ってインクをのせる作業がしやすいからです。

Tシャツを作るのは意外と難しいが勉強になる

ただ作りたいものを作りたいと思って購入した製版機ですが、版作製やプリント時のコツなどの技術的な難しさはもちろん、色のついた布に一色のインクをプリントすることがデザイン的に意外と難しいことが分かりました。最初の頃は色々なインクを試しましたが、結局最後には白か黒をプリントするところに落ち着きました。

▪︎単色のデザインが学べる

シルクスクリーンプリントをやってみて良かったと思うことは、単色でのデザインの幅が広がったということです。黒字に白インク、白地に黒インクのデザインって何パターンもありますが、インクがにじむので適さないデザインもあります。例で言うと左上は黒地に白インクを印刷するのデザインですが、黒の部分は布の色となり、白い部分にインクがのります。白に挟まれた黒の範囲が狭いので、キレイに出すころとは難しいです。これも経験して分かりました。

プリント例

▪︎モノクロ2階調を使ってみる

単色のデザインをする上でPhotoshopの「イメージ」→「モード」→「モノクロ2階調」という、普段使わないようなカラーの形式を使ってみるのもお薦めです。線画を保存するときなどは、この形式を使うと便利です。Illustratorで配置して「画像トレース」でパス化もできるので、いつかどこかで役に立つかと思います。

グラデーションもドットの大きさで表現できる

布以外にもプリントできる

今まで様々なものにシルクスクリーンプリントを施してきました。主には下記となります。

・Tシャツ

・ポロシャツ

・セーター

・ジャケット

・ジーンズ

・携帯カバー

レザージャケット(失敗しなくてよかった)

・キャップ(立体なので成功率が低い)

・ランドセルカバー(ビニール製なので印刷時に滑らないようコツが必要)

・テーブル(油性インクを使ったが使用時の摩擦ですぐにインクが取れてしまった)

多分ですが、ある程度平面を押し付けることができるならプリントできない場所は無いのではないでしょうか。

まとめ

オリジナルTシャツを作りたいと思ったとき、一枚から作れるサービスは多くあります。そのほとんどは転写プリントで、多色使える反面、質感・発色ともにシルクスクリーンプリントの風合いには遠く及ばないものとなっています。自分でやってみて思うのは、どうしても手間がかかるのがシルクスクリーンプリントで、スクリーン一枚が約1,000円と何かとランニングコストもかかりますが、遠い昔からある手法だけあって仕上がりは売っているものと遜色ないものとなります。使い方次第で色々なことが可能なシルクスクリーンプリント。モノづくりが好きな方はぜひとも参考にしてみてください。

上記の例を含むシルクスクリーンプリントで作製したものを、趣味のカテゴリー数点で掲載していきますのでご興味ある方は御覧ください。