簡単なパターンをIllustratorで作る方法です。最近はストックフォトサイトでほぼ無限に手に入れることが可能となったデザイン素材ですが、制作物に合わせて自分で作っちゃった方が早いということがあります。そういう時に自分でまぁまぁ簡単に作ることができるので、その方法を軽くご紹介します。Adobe Stockなどを「何かよさそうなのないかなぁ」で検索していると、「こういうの好き」「これ系にしてみようかな」とだんだん本来の目指そうとしていたものとズレてきてしまうことも多いので、同じくらいの時間をかけるなら自分で作ってみちゃうのもアリかと思います。
目次
❶ パターンスウォッチとは
スウォッチに備わっている機能で、オブジェクトをループで表示させ「柄」を作るものです。パターンオプションパネルを使う方法もありますが、今回は直接スウォッチパネルにオブジェクトをドラッグ&ドロップで作る方法をとります。
スウォッチパネルに新規パターンスウォッチが追加されるので、これを適用させるとカラースウォッチを選択して色をつけるように「柄」をつけたオブジェクトを作ることができます。
❷ 簡単な「柄」を作ってみる
実際の作り方ですが一番わかりやすいのは「ストライプ柄」「ボーダー柄」などの矩形が並んでいる模様です。
1.長方形ツールで矩形を作る
2.矩形をコピーし、隙間なく並べたら色を変更
3.その二つのオブジェクトをまとめてスウォッチパネルにドラッグ&ドロップ
4.新規パターンスウォッチに追加されたら任意の名前に変更し完成
1.と2.で作るオブジェクトを90°回転させた場合「ボーダー柄」となります。
(変形パネルオプションから作成したパターンと適用したオブジェクトの変形・回転することもできます)
コピーして並列すれば何色も使ったストライプ柄を作成できます。
❸ 応用「ギンガムチェック」「ドット」
❷では上下は考えずに左右のみのループでしたが、応用では上下左右がループする柄を作成します。
▪︎ギンガムチェック
基本的に正方形とラインがループする模様であるチェック柄も簡単に作成することができます。その中でも一番簡単なのが「ギンガムチェック」です。図のような並びで正方形を好みの色で作成します。その後は前述同様にドラッグ&ドロップでスウォッチパネルへ追加します。
▪︎ドット
ドット柄もいろんな作成方法があるかと思いますが、ここでは45度に丸が配置された柄を作ります。正方形がループするように考え、下記のようなオブジェクトを作りスウォッチパネルへ追加すると作成することができます。
柄のドットサイズを変える場合は最初に作成する丸のオブジェクトの大きさを変えてください。丸が大きくなると水玉模様になっていきます。
❹ 上下左右がループしていれば複雑なもの可能
ここからは結構根気のいる作業となりますので、そこまでオリジナルの柄とか作らなくてもいいやという方は読み飛ばしてください。正直、感覚的な部分が多いので私自身うまく説明できるか分からないというのもあります。
❸でさらっと触れたパスファインダをもっと駆使して上下左右がループするオブジェクトを作っていきます。
例としてヒョウ柄に見えるオブジェクトを配置しましたが、❷〜❹を工夫し組み合わせていけば様々な模様を作ることができます。
❺まとめ
背景やページの切り替え、テクスチャとの組み合わせなど、模様を必要とする場面って案外多いと思います。昔、先輩デザイナーにストライプだと強い印象になっちゃうのをなんとかしたいと相談したところ「困った時はタータンチェック」と言われたのを覚えています。色味を変えるだけで季節を問わずに、柔らかい印象を持たせることができるチェック柄の仕組みを理解していれば、自分で簡単に色変更して作業時間を短縮することも可能です。
当ページ内でダウンロードできる素材は基本的にこの記事で紹介した方法を応用したものです。トライアンドエラーを繰り返すコツコツとした作業になるので、向き不向きがあると思いますが、矩形の縦横の比率や角度のつけ方で思いもよらない模様を作ることができるので、興味ある方は一度お試しください。
私はイラストを描いてきたので、素材から完全オリジナルのものにこだわってきた方だと思いますが、素材に溢れている現在はそれらをうまく使ってデザインの質・スピードをあげていくことが重要かと思います。下記よりフリー素材をダウンロードいただけますので、微力ながら皆様の制作の一助になれば幸いです。